なぜIT企業が紙の社内報を作るのか。グリーの社内報冊子「ジーマガ」誕生の秘密

※この記事は2015年1月に掲載された記事を一部修正してお届けしています。

グリーは、紙の社内報を2014年に創刊しました。Webの社内報にはそれ以前から取り組んでいましたが、紙版も始めてから3年が経ちました。

他社の広報担当の方とお話をしていると、

  • 「IT企業が紙の社内報を作るんですか?」
  • 「社内報は紙からWebへの移行が注目されているのに!?」

と聞かれることがよくあります。

なぜグリーは紙の社内報を創刊したのか。今日は、グリーが社内報に掛ける思いを紹介します。

※報道関係者や企業の広報担当の方でご興味のある方がいらっしゃいましたら、「ジーマガ」をお渡しすることができます。ぜひご連絡( jp-pr@gree.net )ください。ただし、制作会社の方からのご要望についてはお応えいたしかねますので、予めご了承ください。

社内報冊子「ジーマガ」0号。「GREE, Inc.」の「ジー」と「マガジン」から 「ジーマガ」と名付けました。
「グリーとみんなのコミュニケーション・マガジン」 という意味が込められています

Web社内報では伝えられないもの

グリーの社内広報がスタートしたのは2012年のこと。会社が急成長し、社員数が急激に増えていた時期です。全社員が同じフロアで働き、社長のクシャミがみんなに聞こえたような時代から、フロアが増え、全社員に情報を伝えるのが難しい時代に変わっていきました。

その課題を解決するために生まれたのが、Web社内報です。

グリーのWeb社内報トップページ

2013年からは担当者を設け、年間約180本の記事を掲載する本格的な社内メディアになりました。

  • 経営陣がどんなことを考えているか
  • 会社でどんなことが起こっているか
  • 社員がどんな仕事をしているか

といったことを毎日のように伝えています。これにより社内の情報伝達は改善されてきたのですが、今度は別の課題が見えてきました。

それは、「社員の家族に会社のことを理解してもらっているか」ということです。

想いはちゃんと届けたい

当時の社内広報チームが家族への情報伝達に問題意識を持つのと同じタイミングで、経営陣も同じ問題意識を持っていました。

会社は社員がいて事業を続けることができます。その社員を支えているのが家族であり、配偶者や子ども、両親やおじいちゃんおばあちゃんなどなど、たくさんいるはずです。

「大切な家族を不安な気持ちにさせていないだろうか?」

そういった想いから、グリーの社内報冊子「ジーマガ」は生まれました。

「ジーマガ」創刊に際し、強い意志を持ってやろうと決めたことがあります。それは「郵送する」ということです。家族にちゃんと読んでもらうため、社員の自宅はもちろん、希望する社員には実家などへ追加で送れるようにもしました(海外にも送ります)。

専用の封筒に社長のあいさつを添えて送付しました

「会社の表情が伝わってきて安心した」

2014年6月に0号を発行した「ジーマガ」。創刊準備号ということで、社員や家族から厳しい意見を頂いた場合は、次号の発行が再検討になる可能性がありました。

巻頭の特集では社長の田中が「グリーは社員とその家族を合わせて一つのチーム」とコメント

すごろく風のデザインでグリーのゲーム制作を紹介したコーナーは、アンケートでも好評でした

そして頂いたアンケートの感想がこちらです。

ご家族から頂いた感想(原文ママ)
親としては、子どもの姿が載るといいなあと思っています。田舎から上京し、都会の会社で働く様子が分かり、うれしいです。

若い人の夢をかなえてくれるグリーが楽しみです。


ご家族から頂いた感想(原文ママ)
この度は社報を送っていただきとても感激致しました。息子が大変お世話になっております。が、本人は仕事の内容などあまり多くを語らず、たまに帰省して、元気そうな表情で、状況を読み取るしかありません。本人が自ら選んでトライし続けている会社の表情が伝わってきて安心しました。

誌面から、ぬくもりや、あたたかさを感じることができた事が親として少し不安が少なくなりました。感謝致します。


アンケートを送ってていただいた家族の全員が「ジーマガ」について「満足」と回答してくれました。では、社員からはどうだったでしょうか。



社員の感想(原文ママ・一部抜粋)
一般的に社内報は電子化とか経費削減で無くなってるところを、あえて紙媒体で出してくれるってすごく感激致しました。また自宅に送ってくれるということで、妻とそれを元に話題共有できたり、会社の状況を理解してもらえたりして大変良かったです。

それ以上に実家に送付していただけるというのが大変ありがたかったです。7月に実家に帰ったときに母親がうれしそうにわざわざ見せてくれました(私も自宅に届いているのに)。封筒・冊子自体が安っぽくなく非常にちゃんとした形で郵送していただけたので、かなり良い印象を与えたようで、私も親に自慢が出来る会社にいてるんだと実感できました。

ジーマガ発刊には本当に感謝です。これからも引き続きよろしくお願い致します。

たくさんのアンケート回答を頂きました。別紙でお手紙を添えていただいた方も!

もちろん、厳しい意見もなかったわけではないのですが、社員の「満足」回答は80%を超え、想定以上の好評をもらえました。

そして2015年1月、「ジーマガ」は晴れて1号を発行し、ちょうどグリー創立10周年というタイミングだったこともあって特別拡大版になりました。1号については後日、このブログで紹介する予定です!

【追記】1号発行しました!

2015年1月、社内報冊子「ジーマガ」の1号を発行しました。通常は24ページの「ジーマガ」ですが、今回はグリー創立10周年特集ということで32ページの拡大版です。



特集は13ページにわたって歴史を振り返る内容ですが、過去の話だけでなく、最後の見開きページでは、10周年記念パーティーで撮影した集合写真も掲載。グリーがどのように生まれ、成長し、そして今はどうなっているのかが分かります。



社外の方にグリーの印象を語っていただく定例企画「外から見たグリー」では、楽天の三木谷社長にご登場いただきました。2000年に社員番号77番で楽天に入社した社長の田中にとって、三木谷社長は恩師と呼ぶべき存在です。現在のグリーの印象や、グリー社員へのメッセージを頂きました。


【追記】2号発行しました!

2015年7月、社内報冊子「ジーマガ」の2号を発行しました。今回、2号を制作するにあたって編集部で心掛けていたのは、創刊号、創立10周年特集号と続く初の定常号で守りに入らないこと。常に前向きに挑戦し続けるのがグリーですから、社内報冊子もより良いものを目指して挑戦を続けます。



最初に、特集では「ネイティブゲーム最前線」と題し、グリーのネイティブゲーム開発の今がわかる内容としました。特に注目なのは3人のゲームプロデューサーによる座談会。個性と個性がぶつかり合う本音トークが必見です。



また特別企画の「ファミリーデーレポート」では折り加工をほどこし、ページを開くとグリー本社が入る六本木ヒルズがそびえ立つようになっています。当日の写真もたくさん使用し、ファミリーデーの楽しさ・驚き・盛り上がりが少しでも伝わればと考えて制作しました。


【追記】3号発行しました!

2016年1月、社内報冊子「ジーマガ」の3号を発行しました。今回はお年賀として、社長の「年頭所感」やカレンダー(ご家族向け)を同封し、年始に社員の自宅や実家などに発送しました。こだわりポイントは、封筒です。表面には今年の干支である「申」のイラストと「HAPPY NEW YEAR」の文字を印刷し、裏面には、そのイラストの折り紙が実際につくれる仕掛けを用意しました。


もちろん冊子もこだわりポイントが盛りだくさん。今回は前号のネイティブゲーム特集に続き、ウェブゲームを13ページで特集。お客さま感謝イベントの様子や市場解説、最近の施策紹介などで構成されています。「外から見たグリー」では、社外取締役の夏野慶應大学教授が登場しました。



チーム紹介の企画では、グリーの経営基盤を支える経営管理本部を紹介。福利厚生制度を漫画で紹介するコーナーも設けました。グリーの社内報冊子「ジーマガ」は、中身もデザインも、そして封筒も進化していきます。4号では何が進化するのか! これから企画が楽しみです。


※報道関係者や広報担当の方でご興味のある方がいらっしゃいましたら、
「ジーマガ」をお渡しすることができます。ぜひご連絡( jp-pr@gree.net )ください。

【追記】4号発行しました!

2016年7月、社内報冊子「ジーマガ」の4号を発行しました。今回は2015年に立ち上げた「VR事業」の特集をはじめ、ウェブゲームのファン感謝祭や、ネイティブゲームの新タイトル、CSR活動などさまざまな領域での取り組みを紹介しました。

「外から見たグリー」では、アドバイザリーボード議長の慶應義塾大学大学院の奥出教授が登場しています。
グリー公式クラブ図鑑では、さまざまな部活動を紹介。社員たちのプライベートの瞬間も垣間見ることができるかもしれません。
ご家族の方に、事業のことだけではなくCSR活動や会社の雰囲気をお届けできれば幸いです!


【追記】5号発行しました!

2016年12月、社内報冊子「ジーマガ」の5号を発行しました。今回は2014年に設立されたアプリ開発スタジオWright Flyer Studiosから新規タイトルのリリースの背景や、開発を支えるQA(品質保証)チームの紹介など、ものづくりの舞台裏をお届けしたいと思い制作しました。東京ゲームショウ2016のレポートも掲載されています。

「WE ARE GREE」ではグリーグループのGlossom株式会社を一部の社員とともに紹介。「外から見たグリー」では、「ゲーミフィケーション」をテーマとした共同授業などで協力いただいている千葉大学の藤川教授に登場していただきました。ITと教育に関する未来に期待することについて、語っていただいています。


【追記】6号発行しました!

2017年12月、前号より1年ぶりに社内報冊子「ジーマガ」の6号を発行しました。
今回はネイティブシフトを掲げて3年、リリースラッシュとヒット作品創出まで諦めなかった社員たちの「現状に甘んじない。さらに高い目標を目指す。」想いをテーマとしました。
特集では各ゲームプロデューサーたちの対談や、取締役 上級執行役員の荒木と前田にヒット作を生み出すまでの苦難や今後のビジョンを語ってもらいました。
また、グリーグループとして事業の第二の柱を目指す広告・メディア事業で、住まい・暮らしの国内最大級メディア「LIMIA」を運営するリミア株式会社の紹介もしています。

他にも、仕事と育児を両立している社員によるパパママ対談や、「外から見たグリー」では映画「君の名は。」のプロデューサー川村元気氏をお迎えし、代表の田中とものづくりにかける想いを話していただくなど、コンテンツが盛りだくさんとなった1冊です。
今回は封筒にもこだわり、各グループ会社のロゴを印刷しました。

詳しくは別途公式ブログにて紹介しています。グリーのこの1年の変化を感じていただけたら幸いです。



6号の封筒はグリーグループ全社のロゴ入りです。

【追記】7号発行しました!

2018年7月、前号より半年後に社内報冊子「ジーマガ」の7号を発行しました。
今回は「毎日を楽しく幸せに、社会を自由で効率的に。」というグリーのValueを体現している広告・メディア事業をテーマとしました。

特集では、グリーグループで運営しているサービス「LIMIA」、「ARINE」、「MINE」、「aumo」の運営担当者で対談を行いグリーらしいメディアのあり方や特性について語ってもらいました。また、各サービスの利用場面を想定し、イラストともに紹介することでより身近に感じてもらえ、実際に利用してもらえるような工夫を行っています。

また、表紙は各メディアのイメージを全て盛り込んだ一枚を作り出すために、3ミニッツ社の服を着用し、おでかけメディアに関連してみなとみらいにて撮影を行いました。「GREE」ロゴのバッグもリミアの社員にDIYしてもらっています。
前号のゲーム事業を中心としたジーマガとは雰囲気をガラリと変え、ご家族からも「グリーのメディアについて知ることができた」とアンケートでも好評でした。
メディア事業に関する対談記事はこちらの公式ブログでもご覧いただけます。


【追記】8号発行しました!

2018年12月、「ジーマガ」の8号を発行しました。

今回の号ではグリーグループの第3の事業の柱として取り組み始めたVTuber事業について中心に取り上げています。事業を担うWright Flyer Live Entertainmentで活躍する4人の若手精鋭たちの対談や、最先端技術の研究組織である「GREE VR Studio Lab」の白井ディレクターへのインタビュー(公式ブログ)を通じて、今話題のVTuberについて紐解いていきます。

「外から見たグリー」ではユニバーサル ミュージック合同会社CEOの藤倉氏にお話を伺いました。「音楽を愛し、人を愛し、感動を届ける」という社訓ができた背景などもお伺いしています。
こちらの記事は公式ブログでもご覧いただけます。


メディア掲載

  • 2016年1月:マスメディアン「編集部に届いた、広告界ユニーク年賀状24選
  • 2016年1月:月刊コミサポ1月号「編集部訪問」
  • 2015年12月:朝日新聞「へぇ~な会社」
  • 2015年12月:月刊コミサポ12月号「事例紹介」
  • 2015年12月:社内報の教科書「社内広報に正解はない(グリー株式会社)
  • 2015年3月:毎日放送「ちちんぷいぷい」
  • 2014年11月:広報会議「社内報編集部訪問」
  • 2014年11月:月刊コミサポ11月号「全国社内報企画コンペティション事例発表」

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