2022年7月1日、グリーの特例子会社であるグリービジネスオペレーションズ株式会社(以下、GBO)が、横浜市内の学校長を対象とした研修会(※)で「発達障がい者雇用における合理的配慮とマネジメントについて」というテーマで講演を行いました。
(※)横浜市では毎年、横浜市立小・中・義務教育学校 個別支援学級設置校 校長研修会において様々なテーマでの講演会を実施しています。
今回は、GBOの直近の取り組みについて、当日の様子とともにお届けします。
多様性のある職場環境
GBOでは、ゲームに関するサポート業務やコマース・DX事業に関するサポート業務、人事、総務に関する業務など、月200種類以上の業務を幅広く受託しています。そして、社員の7割が発達障がいのある方たちです。講演の冒頭では、発達障がいの分類とその特性、またどのような配慮を行っているかについてお伝えしました。
GBOでは、新型コロナ感染症拡大をきっかけに試験的な在宅勤務をスタートし、2022年4月からは正式な勤務体系の1つになっています。在宅勤務により、多くの社員が「通勤ストレス」や「対人関係のストレス」から解放されたというアンケート結果とともに、移行時にどのような物理的配慮・精神的配慮を行ったか、事例をもとに紹介しました。
移行にあたっては、オンラインだからこそ頻繁なコミュニケーション機会を心掛け、毎朝社員全員で行うオンライン朝礼の実施や、出社時と変わらず産業医、保健師などとの各種オンライン面談の設定、また、短期記憶が苦手な社員への配慮としてモニターの貸出しなど、様々な工夫を行いました。
(ちなみに、オフィスでは、聴覚過敏や視覚過敏のある社員が働きやすいように「サングラス」「イヤーマフ」といったグッズを以前から活用しています。)
またGBOの、「断る仕事を決める」という取り組みもご紹介しました。極端に対応期間が短く納期必達の仕事・電話対応が発生する仕事は会社として受託しておらず、これにより社員それぞれの特性を生かした働き方ができるようになっています。
支援する側へのサポートを忘れない
最後に、「支援担当者へのサポート」の大切さもお伝えしました。支援者間での情報共有、コミュニケーションを大切にするとともに、外部の専門家、行政機関、他社の支援担当者などからの客観的なアドバイスを受けることで、支援者側が1人で抱え込むことのないよう、長く働ける環境づくりも行っています。
本講演を通じて、参加していただいた先生方に伝えたかったことを、登壇者の2人に伺いました。
野澤さん:当社では適切な配慮と環境のもと、できないことに目を向けるのではなく、各自が得意なこと・前向きに取り組みたいことを重視して会社運営を行っています。得意を伸ばし、可能性を最大限に発揮して成長していく姿勢は学校生活にもつながるものがあるかと思います。その過程でつまずくこともありますが、学生の皆様のみに限らず先生方も含めて一緒に乗り越えた経験を重ねることで、共生社会の形成に向けた一歩をお互いに歩んでいけると嬉しく思います。
田村さん:今回、当社の取り組みに加え、小中学校時代の困りごとやその当時の先生方にしていただきたかったこと、という内容でGBO社員のインタビュー動画も流しました。小中学校という義務教育の場から発達障がいへの理解がより深まること、そして子ども達が大人になった時、困りごとがあったとしても適切な配慮があれば、能力を生かし活躍できるGBOのような場所があることを多くの方に知ってもらえたら幸いです。
グリーでは今後も様々な人が活躍できる社会のための取り組みを続けていきます。