【グリーが担うサステナビリティ】千葉大学共同授業:最先端の株主総会に学ぶ!学校教育へのヒントとは

グリーグループでは、毎年サステナビリティ活動の一環として、千葉大学教育学部長である藤川先生と共同で、「教育の情報化」を担う教員の育成を目的とした授業をプロデュースしています。今年はグリー総務部 部長の松村が「バーチャル株主総会と対話の深化〜最先端の株主総会〜」 と題した講演を学生向けに実施しました。

講演の様子とともにグリーが考える「インターネットによる社会課題の解決」についてお伝えします。

左から今回登壇したグリー総務部長松村と千葉大学教育学部長の藤川先生

「当たり前」を見直すこと

株主総会とは、株式会社の株主が集まり、会社の重要事項を決定する会議のことで、年1回の開催が法律で義務付けられており、開催にあたってのルールも細かく定義されています。物理的な会場を用意した集合型の株主総会が“当たり前”とされていた2019年、グリーでは国内初となる「ハイブリッド双方向参加型バーチャル株主総会※」を実施。以降、株主総会を徐々にバーチャル化することに取り組んできました。

※「ハイブリッド型バーチャル株主総会」とは、取締役や株主等が一堂に会する物理的な場所で株主総会(リアル株主総会)を開催する一方で、リアル株主総会の場に在所しない株主がインターネット等の手段を用いて遠隔地から参加/出席することができる株主総会をいう。さらに「双方向参加型」では前述に加え、(1) 株主からメッセージを受け付け、(2) 受け付けたメッセージに対し役員がコメントするというコミュニケーションラインを導入したもの。

講義では、まず、株主総会をオンライン化するにあたっての法的な課題や仕組み上の壁など、具体的なプロセスをお話ししていきます。専門的なテーマに真剣に聞き入る学生、教育とどのような関係があるのか不思議そうな顔をする学生、講義スタート時の表情は様々でした。
続いて、株主総会をリアル開催からオンライン化したことによるメリットとして、時間的・空間的な制約が解消されるだけでなく、双方向型の考え方を取り入れると「対話に関する制約」も解消できることなどをお伝えしていきます。
一方的にライブ配信を行うのではなく、バーチャルの技術で株主と対話をするためにはどうしたらよいかの工夫に話が広がっていったところで、受講していた学生が「あっ」と気付きます。

学校の授業に置き換えて考える

例えば、オンライン授業をしようとする時、先生が黒板の前で説明している様子をただ配信するのではなく、質問をどうやって受け付けるのか、どのように回答するのかなど、1つの授業をオンラインで実施するにあたり考えるべきことのヒントやエピソードが含まれていたのではないでしょうか。

講演の終わりには「“プレゼンする側”と“聞く側”の対話を深めるために、IT技術を活用することを考えてみてほしい」とのメッセージをお伝えしました。

学生からは「通信環境の不具合が起こった場合どうするのか」「デジタルデバイド(情報格差)をどのように解消すべきか」といった質問があがり、もし学校現場だったらと置き換えて質問する姿が印象的でした。

最後に、千葉大学教育学部長である藤川先生とグリー登壇者の松村のコメントを紹介します。


藤川先生

藤川大祐先生:千葉大学教育学部 学部長
千葉大学教育学部の授業「メディア社会と学校教育」では、インターネットの発展等で急速に変化するメディア状況を踏まえ、学生たちがこれからの新しい学校教育を創造していくことができるようにと願い、メディアリテラシー教育、情報モラル教育、生成AIの活用、ゲーミフィケーション、著作権といったテーマを扱っています。そして、メディア社会の最先端の情報を扱えるように、ゲストをお招きする回を設けるようにしています。 今回は昨年度に続き、グリー株式会社のご協力いただくことができました。

今回のテーマは「バーチャル株主総会」。教育学部の学生にとって馴染みのあるテーマではなかったかと思いますが、松村様の丁寧なお話しぶりと学校の授業にも通じる内容に、学生たちは興味津々で聞いていたように思います。
今後も、社会のさまざまな動きに触れながら、新しい時代の教育を担う学生たちの育成に努めてまいりたいと考えています。


松村

松村さん:グリー株式会社 コーポレート本部 総務部 部長
冒頭、教育学部の学生さんにとって、馴染みのない「会社法」のお話もさせていただいたので、スムーズに興味をもっていただけるか不安でした。しかし質疑の時間に寄せられた内容で、しっかりとメッセージが伝わっていることを確認し、その見識の高さに感じ入りました。将来、教職に就くかもしれない皆さんにとって、「対話」は重要なテーマなのではないでしょうか。今日の講演が少しでも授業づくりのヒントになればうれしく思います。

グリーはIT技術によって成長し、活動を続けてきた企業です。「インターネットによる社会課題の解決」をグリーグループのサステナビリティのテーマとして掲げ、IT技術によるメリットを社会に還元したいと考えています。
今回はグリーグループでの株主総会の事例をもとに、IT技術活用のメリットを学生の皆さんにお伝えしました。“当たり前”を見直し、デジタル技術がプラスに働く未来を考えることのきっかけづくりになればと願っています。