株式会社グリー発足。「GREE」と社内外への技術支援、二軸の未来へ迫る

グリーグループの持株会社体制への移行に伴い、2024年8月に設立された株式会社グリー。今回は代表取締役社長を務める藤本さんとGREE事業本部の合津さん、永井さん、開発本部の大久保さんが、それぞれの領域における事業展開や今後の成長戦略について語りました。

藤本 真樹:株式会社グリー 代表取締役社長
グリーホールディングス株式会社 取締役上級執行役員 最高技術責任者
大学卒業後、PHP等のオープンソースプロジェクトに参画し、オープンソースソフトウェアシステムのコンサルティング等を担当。その後2004年にグリー株式会社(現:グリーホールディングス株式会社)の立ち上げから参加し、2005年6月、同社取締役に就任。2010年8月、最高技術責任者へ就任。2019年10月より開発部門を担当。2025年1月、株式会社グリー 代表取締役社長に就任。

合津 知明:株式会社グリー GREE事業本部 本部長
2012年グリー株式会社(現:株式会社グリーホールディングス株式会社)入社。『探検ドリランド』のエンジニア、複数プロダクトのシニアマネージャー・部長職を経て、2025年1月より現職。

永井 正明:株式会社グリー GREE事業本部 副本部長
2011年グリー株式会社(現:グリーホールディングス株式会社)入社。GREE Platform Paymentチーム シニアマネージャー、 GREE Platform部 部長などを歴任し、2025年1月より現職。

大久保 将:株式会社グリー 開発本部 本部長
2011年グリー株式会社(現:グリーホールディングス株式会社)入社。インフラストラクチャ部、セキュリティ部、アプリケーション開発部などの部長職を経て、2025年1月より現職。

これまでの経験を資産に、より積極的なサービス・事業展開で「持続可能」な組織へ

ーー株式会社グリーとして始動した組織は、グリーグループでは元々どのような役割を担ってきたのでしょうか?



藤本:元々はグリー株式会社(現:グリーホールディングス株式会社)の開発部門で、二つの役割を担っていました。一つ目は、グリーグループの創業事業であるソーシャルゲームプラットフォーム「GREE」の運営全般を支える役割。二つ目は、グループ全体を支える開発共通部門としての役割です。グループ内の事業やグループ会社に対する技術的サポートを中心としながら、それに加えて外部企業へのソフトウェア開発やシステム支援などの技術サービスの提供を行っていました。

ーー株式会社グリーが設立された経緯を教えてください。



藤本:グリーグループの持株会社体制への移行に伴い、先述した二つの領域を独立・発展させた、というのが経緯です。今後はグループ外への技術的価値提供を強化し、より積極的に収益を上げていく組織を目指します。

ーー二つの領域のうち、GREE事業本部が掲げるビジョンとはどのようなものですか?



藤本:サステナブルな事業に変えていくことをビジョンとして持っています。具体的には、2024年2月に20周年を迎えたソーシャルゲームプラットフォーム「GREE」が、30周年を越えて長く愛されるために、ユーザー様のより良い“居場所”であり続けることを目指しています。また、これまで「GREE」の運営を通じて蓄積してきた資産やノウハウを活用しながら、新しい価値提供にも挑戦していきたいと考えています。

ーーGREE事業本部において本部長の合津さん、副部長の永井さんはどのような役割を担っていますか?



合津:以前からゲームとプラットフォームという二つの部門があり、私は主にプラットフォーム上で展開している『探検ドリランド』や『クリノッペ』といったゲーム部門を、永井さんがプラットフォームの運営を統括していました。今年に入ってからはプラットフォーム部門を含めた事業全体を統括させてもらっていて、より多くのお客様に楽しんでいただけるようなプラットフォームの実現、そのための組織作りについて日々考えています。



永井:僕はシステム面やプラットフォームの全体最適を担当しています。簡単に言うと、「GREE」のゲーム・プラットフォーム運営を担う僕たちと、アプリを出していただいてるサードパーティ企業様、そしてユーザー様、この三者がつながる場をいかにシームレスで快適にしていくかを検討・実装する役割を担っています。


2025年5月の「GREE」のマイページトップ画面

ーー2024年には「GREE」が20周年を迎えましたね。おめでとうございます!周年を迎えた気持ちをお聞かせください。



合津:20年間サービスを続けるのはなかなか難しいと思いますし、ユーザー様には本当に感謝しています。何よりもうれしかったのは、「GREEがあってよかった」「共通の話題を持つ仲間ができた」というユーザーの皆様の声です。20周年をお祝いし、プラットフォーム上で「GREE」との思い出エピソードを投稿してもらう企画があったのですが、約5,000の心温まるメッセージをいただきました。多くの人にとって「GREE」は想像以上に大事な場所なんだと気づかされました。また、我々の仕事はこのようなお客様の声を増やしていくことなんだ、ということにも改めて気づかされましたね。


「#私とGREE 思い出エピソード」の投稿文面(一例)



永井:さまざまな立場から「GREE」に関わってくださっている皆さんがいるからこそ、20年も続けられたのだと思います。その翌年のタイミングで子会社として独立したというのも、第二の人生を始めたような感覚で、とてもワクワクしています。



合津:日々のなかでKPIに対してきちんと向き合い、継続して数字を見ることができたのも、20年サービスを継続できた理由の一つだと思います。グリーグループにはその文化が根づいていますよね。



永井:それに加えて、サービスを止めなかったという点も大きいですね。いろんなゲームをいつでも楽しめるだけでなく、そこには友達がいて、コミュニティがある—。そんなプラットフォームだからこそ、24時間365日稼働させるために真面目に向き合ってきました。



藤本:20年も携わっていると、物事を長く続けることの価値や、新しい取り組みからは得られない経験知を獲得できます。長く続けるということは決して簡単ではないことですが、今後も事業をサステナブルにしていくための取り組みを、これまで以上に加速させる予定です。

ーーサステナブルな事業へ変えていくために、具体的に取り組んでいることはありますか?



合津:これまでは“稼働を維持・継続すること”が中心でしたが、既存のユーザー様だけでなく世の中の多くの人たちに活用してもらえるような、新しいサービスや機能を展開していきたいです。まだ検討段階ではありますが、それは必ずしもゲームである必要はないと考えています。



永井:「続ける」って何も今と同じことをずっと続けることだけを指すのではないんですよね。20年が経って「このままではいけない」という思いがあります。より進化できる形、成長して新たに発展していく形を模索していきたいです。

ーー今後の意気込みを聞かせてください。



合津:少なくとも自分が生きている間はずっと残っていてほしい。そのくらい長く続くサービスにしたい。そのために、事業の成長に貢献できるようなアクションを起こしていきたいです。また、新規サービスの立ち上げなどを通じて、個人の能力を向上させるような取り組みもしていき、組織としても強くなるといいなと思います。



永井:やるぞ!という気持ちが率直な意気込みです(笑)。四半世紀を超えるサービスにしたいというのが以前からの目標だったので、そのためにはさまざまな課題を乗り越えなければならないと思います。でも、どんな状況でも楽しみながらその時々に応じて環境を整えつつ、社会に貢献できるようなサービスを提供したいです。



藤本:僕たちは、既存の組織がそのまま会社になった、という経緯もあって、すでに十分に力のあるメンバーとチームが揃っていると自負しています。新しいチャレンジを楽しんでいきながら、四半世紀となる五年後に「会社になってよかったね」と笑って話せるよう、一日一日、着実に積み上げていきましょう!

チームと会社の成長をさらに加速させるために、社会的価値の高い事業を生み出し、その利益をさらなる成長に向けた投資につなげていく

ーー開発本部ではどのようなミッションやビジョンを掲げられていますか?



藤本:株式会社グリーのミッション「技術で事業に貢献する」を体現すべく、社内だけでなく社外にも価値を提供することでの収益の拡大を目指しています。

ーーどのようなアクションを行っていきますか?



大久保:グリーグループはこれまでも「技術」を大事にしていた組織なので、それが子会社になったからといって変わることはありません。アーキテクチャ設計からアプリ開発、セキュリティまで一連の技術要素を保有しているので、これまでと同様、社内外に関わらず課題を抱えている組織には積極的に技術的な価値提供を行っていきます。



藤本:今後はプロフェッショナル集団としてより価値の高いプロダクト・サービスを生み出して提供し、それにより得られた収益を、チームをさらに成長させるための投資に回すというサイクルを目指していきます。それと、技術=エンジニアといったイメージがありますが、デザインやプロジェクトマネジメントも大切な技術の一つです。広い意味での「技術」を高いレベルで実現できれば、どんな課題や要望にも対応できると思います。

ーー社外への価値提供については、どんなことにチャレンジしていきたいですか?



大久保:収益面ももちろん重要ですが、より公共性があり世の中の役に立てるための技術を提供したいですし、自分たちが「これをやってよかった」と思える仕事を自らが選択できる環境をつくりたいです。8割は今まで蓄積してきたことを広く社会に提供しながら、残りの2割で新しいことにも挑戦して組織が成長していければ、と思います。



藤本:本当に優秀なメンバーばかりなので、十分に実現可能だと感じます。



大久保:同感です。これまでも大規模な開発案件に数多く挑戦してきました。例えば、大手保険会社様の加入者向けアプリの開発やサービス拡充をサポートしてきました。その他、システムの性能改善やインフラ面での支援を行った企業様もあり、良好な取引関係を築いています。



藤本:そういう大きなプロジェクトを完遂できるチームであることが何より重要な強みであり、これからもそうあり続けたいです。一緒に仕事をする会社からの「よかった」という評価を積み重ねていきたいですね。



大久保:そうですね。そういった大規模な案件に加えて、これまで通りクライアント企業の技術課題に踏み込んで解決していくことをしたり、蓄積してきた技術のマネタイズ化も考えています。これまでに手掛けたことを軸に新しい取り組みや価値を生み出していきたいです。

ーー開発事業について、今後の意気込みをお聞かせください。



大久保:グリーグループ、および株式会社グリーの事業を支え続けていくことを第一優先に、徐々に外部向けの新しいサービスやプロジェクトにも積極的に取り組んで、ちゃんと価値を積み重ねていけるような事業にしたいです。それと、働くメンバーが成長できて、何でもフラットに話し合える環境を整備していくことで「グリーって本当にいい会社だな」と思える組織を構築していきたいです。今後、さまざまなプロセスで直面するであろう課題に立ち向かうために、みんなで力を合わせて楽しみながら、一定の価値を生み出し続けていけるようまい進していきます。

会社をより良くするのは、一人ひとりの能力や価値、それらが集結したチームの高いパフォーマンス

ーー今後、株式会社グリーをどんな会社にしていきたいですか?



藤本:やるからには、誰もがこの会社で働けて良かったと思える会社にしていきたいです。私たちのサービスの根幹にあるのは、一人ひとりの能力や価値、そしてチームとしての高いパフォーマンスです。全員がモチベーションを高く保って楽しく元気に働けていれば、おのずと良い会社になるはず、そんな風に考えています。そんなグリーで一緒に働いてみたい!という人も大歓迎です。また、これまでにコンシューマサービスで培った技術を生かして、企業のさまざまな課題の改善のサポートも可能です。何かお困りのことがあれば、ぜひ気軽にご相談ください。