バーチャルライブ配信技術が紡ぐ全グループの一体感。グリーグループ総会の全貌

グリーグループでは、2021年7月15日に2021年度のグループ総会を実施しました。昨年より新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、オンラインで開催している本会ですが、今年は3D CGアバターを用いたバーチャル空間でのライブ配信を実施。
コロナ禍でもグループが一丸となるための総会を企画した人事とREALITYの担当者に、6 deGREEs担当・絹子が開催までの舞台裏を取材しました。

千田千田:REALITY株式会社 XR Entertainment事業部 Productグループ PdMチーム
2016年 グリー入社。REALITYの前身であるVR Studio部にて『乖離性ミリオンアーサーVR』他、VRゲームのディレクターを担当。REALITYでは設立時よりREALITY公式番組の制作に関わり、現在は『REALITY XR cloud』で3D CGやVRテクノロジーを活用したバーチャルライブやバーチャルイベントの制作・運営を担当。

丸川丸川:グリー株式会社 コーポレート本部 人事部 組織開発チーム
2018年 グリー入社。入社後 人事部で新卒採用を担当し、現在は組織開発チームで研修全般の運営やグループイベント運営などを担当。

1年に1度の祝福の場。ライブで「驚き」を届けるため、人事とREALITYがタッグを組んだ。

ーー去年もオンライン開催されたグループ総会ですが、今年は更にアップグレードされたと聞きました!具体的に違うところは?

丸川丸川:グリーグループ総会は全グループ従業員が集まり、主に一年の振り返りやMVPの表彰式を行う会です。昨年もオンライン開催となり、事前に収録した動画配信を行いましたが、今年はREALITYと協力し、3D CGアバターを用いたバーチャル空間でのライブ配信に挑戦しました。バーチャル空間に総会仕様のステージを作ったり、アバター姿の新卒社員が司会を行ったりと、今までとは全く違う雰囲気になったと思います。


バーチャル空間に作られた特別なステージで総会を実施。

3D CGアバター姿の新卒社員が司会を担当しました。

ーーなぜ、今回「バーチャル空間」での「ライブ配信」に挑戦することになったのでしょうか?

丸川丸川:グループ総会は全従業員の「労い」またMVP受賞者の「祝福」の場なので、受賞者には多くの人からの祝福の声をライブ感を持って味わって欲しいという思いがありました。昨年も理想はライブ配信を行うことだったのですが、難易度が高くて諦めたという経緯がありました。ですが、実際に参加した従業員の方々からも、「受賞者の生の声や顔が見たい」という声を多くいただき、今年は是非チャレンジをしようと方法を検討していました。
また、グリーグループにおいてオンライン勤務やオンラインイベントが当たり前になる中で、従業員に「驚き」を届けたいという思いがありました。その中で、多くのバーチャルライブの運営経験を持つREALITYの方に相談をし、議論を重ねて本会の実現に繋がりました。

千田千田:今回、ライブ感を出すためにグループ内コミュニケーションツールであるSlackのチャット画面をリアルタイムでステージに写したり、Slack通話で受賞者からのコメントをもらったりと工夫をしました。技術的にはそこまで難しいことではないのですが、やはりオペレーションは複雑になります。REALITYでは過去にユーザーさんとコンサート会場を繋いだバーチャルイベントなどを実施した経験があるので、その運営ノウハウが今回生きています。


ステージ上に表示されたSlackチャットには、グループ従業員からたくさんのお祝いの声が。

丸川丸川:相談した際に、千田さんから二つ返事で「ああ、できますよ。」と言ってもらえて(笑)。救世主が現れた、という気持ちでした。また、実施にあたって準備は入念に行いました。ライブ配信で実施する分、配信時間が限られているので、例えば受賞者の方が当日参加していない場合や、通信が途切れてしまった場合などさまざまな想定をしてリハーサルを実施しました。


受賞者コメントが滞りなくもらえるよう、入念なリハーサルを実施。

ーー「『驚き』を届けたい」とありましたが、具体的にこだわった点とは?

千田千田:人事の皆さんと最初にこの総会の話をした時に、「過去最高にかっこいいグループ総会にしよう」という目標を掲げました。せっかくバーチャル空間での実施なので、ありきたりなテレビ番組風にするのではなく、「サイバー」・「未来」のイメージでステージや演出を企画しました。


制作陣のこだわりが詰まった総会会場。

千田千田:REALITYチームもノリノリで準備を進めていて、当初予定になかったレッドカーペットやグループ会社のロゴが回る電光掲示板など、総会を盛り上げるアイデアをメンバーが自主的に形にしていきました。台字は司会の吉澤くんに手書きで書いてもらったものをそのままキャプチャして取り入れているのですが、全てをサイバー感で統一するとぬくもり感がなくなるので、手書きがあることで、異質なんですけど、親しみやすいような雰囲気にしました。

バーチャルグループ総会の裏側を覗いてみました!

例年、新卒社員が司会を務めるグループ総会ですが、今年はなんと3D CGアバターの姿で司会を担当。バーチャルライブ配信を行ったスタジオに潜入し、司会を務めた21年度 新卒社員の2名に話を聞いてみました!


今回司会を務めた21卒の佐藤さん(左)と吉澤さん(右)

ーー今回は司会お疲れさまでした!バーチャルライブ配信『REALITY』を使って自らアバターをデザインしたそうですが、それぞれこだわりはありますか?


吉澤

吉澤:やっぱり、「(REALITYのビジョンである)なりたい自分」になってみたくて。せっかくの機会だから、「リアル」の場ではできない体験がしたい、と思って見た目が女の子のアバターを作りました。ツインテールで眼鏡でちょっと色黒な女の子という、なかなかない組み合わせがこだわりポイントです。


佐藤

佐藤:私はピンクが好きなので、髪も服もピンクで揃えました。髪は憧れるけど中々綺麗なピンクに染めることは難しいので。細さや身長も選べるので、顔のパーツはもちろんスタイルにも自分の理想を詰め込みました。

ーー実際にモーションスーツを着てライブ配信を行ってみてどうでした?


佐藤

佐藤:総会の司会を依頼された時から、「モーションスーツを着れる!」という中々体験できない機会にテンションが上がりっぱなしでした。実際にスーツを着てスタジオに入ってみて、ステージの中の自分が本当の自分なんじゃないか、ってくらい没入感がありました。


吉澤

吉澤:細かい体の動きにアバターがついてくるので、僕も気づいたらアバターの自分に没入していました。多くの方の前で緊張、というより「可愛い自分を見て欲しい!」っていう気分で、自然とクネッとした女の子らしい動きが出てきました(笑)。



モーションスーツを着て、司会に挑んだ2名


ーー司会という大役でしたが、グループ総会を終えてどうですか?


吉澤

吉澤:普段はそれぞれの子会社や事業部で働いていて中々感じる機会がないのですが、グループ全体で一つになると、これだけの熱量が感じられる組織なんだな、と改めて感じることができました!


佐藤

佐藤:総会では新卒2年目の先輩方のMVP発表もあり、グループ内で活躍しMVPを受賞される方々は本当にかっこいいなと改めて思ったので、私も来年新卒MVPを受賞できるように頑張ります!


吉澤

吉澤:僕もです!

ーーお二人ともありがとうございました!

これからの時代のバーチャルイベントの可能性

ーーバーチャルイベントの今後の可能性やREALITYだからこそ出来ることについて教えてください。

千田千田:バーチャルイベントの特徴は現実では再現不可能な世界を表現できることです。REALITYで運営している『REALITY Live Stage』ではアーティストの世界を制限なく表現し、唯一無二のライブ体験を作ることができます。今回も「祝福」の雰囲気を作るために、キラキラとした夜空に浮かぶステージなど、物理の会場ではできない演出を行っています。
また、バーチャルイベントは一度作ったステージを容易に再構築できることも特徴の一つです。蓄積したアセットですぐにイメージ映像を作ることができるので、発注側とも具体的なイメージの元に要望のすり合わせができるのでズレが少なくなります。

丸川丸川:今回の依頼も、打ち合わせの段階からイメージ映像を元に話を進められたので、想定通り、というより、それ以上のステージが出来上がりました。

千田千田:REALITYならではの良さでいうと、バーチャルライブ配信アプリ『REALITY』との連携ができることです。実は3D CGのバーチャルライブスタジオと『REALITY』アプリは全く別の技術基盤で構築されているので、本来はアバターをコンバートするだけでもかなり大変です。それをさらにモーションキャプチャで動かす、となると時間も工数もかかるのですが、どちらもREALITY社内のためパイプラインがすでに出来上がっていて、容易に実現ができました。

ーー司会の二人も、アバターにはこだわりを持って作っていましたが、『REALITY』を使って、スマホで自由に作れるからこそ、細部までこだわれますよね。動いている二人を見て、「私も出たい!」と思いました。

千田千田:ぜひ出てみてください(笑)。トレーニングを積んでいなくても、誰でも気軽にアバターになれる、ということも『REALITY』の良さだと思います。

ーー最後に、今回の総会を実施してみて、それぞれに今後挑戦したいことはありますか?

千田千田:REALITY XRE事業部としては、ぜひグループ内での連携を今後も強めていきたいと思っています。今回の総会に参加したグループ従業員の皆さんから、ライブイベントの実施や、PVや商品説明動画の制作の要望があればぜひ取り組みたいです。また、現在水面下で大型のプロジェクトも進んでいるので、今後もバーチャル空間の新しい試みを広げていきたいと思います。

丸川丸川:このグループ総会を通して、「1年間よく頑張った、次の1年もみんなで走りぬこう!」と従業員の皆さんに思ってもらえていたら嬉しいですし、そういった総会運営を今後も心がけていきたいです。そのためには、表彰された方にとっても、祝福をする周囲の方々にとっても士気が上がり、グループ全体の一体感が生まれる構成や、没入できる空間作りを考えていく必要があります。アンケートなどでいただくグループ従業員の皆さんの意見を参考に、より良い総会づくりを目指していきます。



ーーとても楽しいグループ総会の運営お疲れさまでした!