「犯罪被害者週間」は、犯罪被害者等の方々が置かれている状況や、配慮の重要性等について、国民の理解を深めることを目的とするものです。毎年11月25日から12月1日までの期間中、集中的な広報啓発事業が実施されています。
2022年11月30日に開催された、警察庁主催の「犯罪被害者週間中央イベント」では、グリー社員の小木曽がパネルディスカッションに参加しました。本記事では、当日の模様をお届けします。
犯罪被害者週間中央イベントでは、犯罪被害者御遺族である 栗原一二三氏、栗原穂瑞氏 による基調講演の後、「潜在化しやすい犯罪被害への支援〜こども達の心の声に耳を傾ける〜」というテーマでパネルディスカッションが行われました。
コーディネーターの武蔵野大学人間科学科教授 藤森和美氏による進行のもと、基調講演をされた栗原一二三氏、栗原穂瑞氏、福岡県警察少年課課長補佐の安永智美氏、そしてグリーの小木曽がパネリストとして、複数のテーマについて実例を交えながら議論を行いました。
“実の父親が弟を殺害する現場を目撃した上、この父親からの長年にわたるDVにより精神疾患を抱える母親から養育を拒否(ネグレクト)されてしまった少年”のケースや、同世代の少女だと信じてSNSのコミュニティサイトを通じて交友していた相手が、実は成人男性であり、会わないと半裸の画像をばらまくと脅迫された少女”のケースなど、具体的な事例に沿って意見交換が行われ、傷ついた被害者の心と向き合う方法や、家庭内でのコミュニケーションの取り方などについても様々な議論が交わされました。
取り上げられた事例はどれも胸が締め付けられるもので、周囲に助けを求められない被害者が数多くいる現実を認識しました。また、周囲の人が“トラウマインフォームドケア” (「トラウマを抱えているかもしれない」という観点を持ち適切な対応を取ること)の視点を忘れずに持っておくことが被害に早く気付いたり、いわゆる二次的被害を生まないために必要なことであるとの意見もあがりました。
最後に、本イベントを主催された、警察庁 長官官房教養厚生課 犯罪被害者等施策担当参事官室のご担当者様から頂いたコメントをご紹介します。
関口真美 参事官:
犯罪被害者支援は、被害者や支援者の方々のご努力により、これまで大きく進展してきましたが、被害者の方々からはいまだ様々なお声が届いています。今回の中央イベントを通じ、改めて、一人ひとりが被害者の方々に寄り添い、被害者の方々が平穏な生活を取り戻すことができる優しい社会にしたいとの思いを強くしました。私自身も、熱意をもって取り組んで参りますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。
柳原情子 課長補佐:
一年かけて準備を重ねてきた中央イベント。企画から準備、運営に至るまで、本当に多くの方々と関わり、お力を借りて進めていく中で、私自身、様々な気付きを得ることができ、とても貴重な経験となりました。犯罪被害者支援に関する一般の皆様への周知は、まだまだ道半ばと言えるかと思いますが、今回の開催がその一助となりますことを願いつつ、今後も微力ながら、力を尽くして参りたいと思います。
櫻井哲好 係長:
今年の犯罪被害者週間中央イベントでは、犯罪の被害にあうということがどのようなことなのか、そして犯罪被害者の方々に対してどのように声をかけ、どのように接すればよいのか、より多くの方々に考えるきっかけを届けることができました。今後もより一層、犯罪被害者の方々に対し、多くの支援の輪が広がりますよう尽力してまいりますので、よろしくお願いします。
犯罪被害者が日々生まれてしまう状況に対し、官公庁、企業、地域の各所が連携し、課題に取り組む必要があると強く感じました。
本イベントのダイジェスト動画は以下に公開されております。ぜひご覧ください。