こんにちは、社会貢献チームの鈴木です。
グリーではCSR活動の一環として、千葉大学教育学部と共同で「教育の情報化」を担う教員の育成を目的とした授業をプロデュースしています。
今年のテーマはVTuber。附属小学校6年生の児童たちがVTuberとなり「表現力」を学ぶ授業を、2018年10月から行っています。
これまでのレポート
2018年度千葉大学共同授業がスタートしました
小学生がスマホでVTuberを体験しました
今回の授業では、「コミュニケーション技法」について学ぶワークショップを行いました。児童たちはこれまでの授業を通じて、ツールを使い、VTuberとして情報を発信できるようにはなりましたが、それだけでは「伝え上手」になれません。伝えるための技術を学ぶことで、より質の高い情報発信ができるよう、グリーで情報モラルの啓発活動を担当する小木曽から授業を行いました。
情報を伝えることの難しさ
まず「情報がいかに伝わらないか」という実験です。
クラスの女子児童には全員、目をつぶってもらい、黒板に映し出されたイラストを、男子児童が言葉だけで説明して、女子児童に伝えようというものです。この幾何学模様を見た男子児童たちは、みな口々に思いつく表現を口走ります。
「円」や「木の葉」など、なんとか言葉だけで図を説明しようと頑張りますが、結果としてクラスの半数近くの女子児童には伝わりませんでした。
今度は女子児童が説明する番です。このイラストは・・・もう何と説明してよいのか私も頭を抱えてしまいました。
さすがの女子児童たちもこれにはお手上げ。頑張って説明しましたが男子児童たちにはほぼ伝わりませんでした。
自分自身ではきちんと理解しているものでも、それを誰かに100%伝えきるというのは、実はとても難しいということが体験出来ました。
「誰」から「どう伝える」かで伝わり方が変わる
続いては「同じ情報でも、誰がどう伝えるかで情報の伝わり方が変わる」という実験です。
児童それぞれに、自分の長所や短所を紙に書いて発表してもらいます。
書いてもらった長所と短所を本人に発表してもらった後、今度は小木曽が「Aさんの長所は××で素晴らしい」と紹介します。すると伝わる情報の印象が大きく変わりました。これは、自分で伝えるより第三者のクチコミを通して伝えた方が、その情報の説得力が増す、ということを体験する実験です。
誰がどんな情報を発信するのかにより、情報が変質することが分かりました。
伝え上手は伝わらないことを知っている
最後に情報を上手に伝えるポイントを整理しました。
・情報発信は「開始」「終了」をしっかり宣言すること。
・文字数は極力減らすこと(そのほうが相手の負担が減り、伝わりやすい)。
・話す速度は今の半分ぐらいの速度にすること。
・身振りなどの動きを加え、印象付けること。
・語尾をしっかり発音すること。
・相手の予測を裏切ること(予想外の話は印象に残る)。
「伝え上手な人は、情報がいかに伝わらないかを知っています。だからこそ常に伝わるように努力しているのです」。小木曽のこの言葉を、児童たちはメモをとりながら真剣に聞いていました。
最後の授業では、いよいよ6年生がVTuberとなり、4年生向けのお悩み相談会を開催します。4年生の教室にリアルタイムでVTuber配信を行なう予定です。今回の授業の学びをもとに、どんな情報発信となるのでしょうか。
次回は最終回、お悩み相談会の様子を紹介します。
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