働き方

【特集】世界観を音で表現するサウンドチームのものづくり。

こんにちは、広報の坂見です。

グリーではさまざまなスマートフォンゲームアプリをリリースしていますが、皆さんはゲームをプレイする際にサウンドをオンにしていますか。
ゲームファンなら臨場感や、躍動感を求めイヤホンをつけながら遊ぶ人も多いのではないでしょうか。

ネイティブゲームの開発スタジオ「Wright Flyer Studios(以下、WFS)」にはサウンド専門のチームがあります。このチームは2012年に発足し、多くのネイティブゲームのリリースを支え、今後スマホアプリゲームの域を超えたサウンドに挑戦するメンバーにサウンドのものづくりについて話を伺いました。



竹内 竹内:2012年に入社し、サウンドチームを立ち上げ現在はチームのマネージャーとしてメンバーの育成にも注力。「消滅都市」の開発段階からサウンドディレクションを担当している。

山上 山上:2014年に入社。主に「アナザーエデン 時空を超える猫(以下、アナデン)」のサウンドディレクションと「武器よさらば」の作曲や効果音を担当している。

井上 井上:2013年に新卒でグリーに入社。現在は「ららマジ」のサウンドやVRゲームのサウンドを担当。社外ではフェスなどにも出演するプロのミュージシャンとして活躍している。

伊藤 伊藤:2013年に新卒でグリーに入社。ゲームのPMや、アートチームを経た後にサウンドチームに配属。協業IPタイトルや「ライブラリークロスインフィニット(以下、「ラブクロ」)」のサウンドディレクションを主に担当している。

大島 大島:2018年に入社。前職ではコンソールゲームのサウンドを担当し、モバイルゲームに従事したいとグリーに転職。「消滅都市」のサウンドディレクションを担当。

サウンドチームは1名からのスタート

ーーそれぞれの業務内容を教えてください。

伊藤 伊藤:私は現在「協業IPタイトル」と「ラブクロ」のサウンドディレクションを担当しています。最近では協業IPタイトルのVRゲームのサウンド制作にも携わっています。各タイトルごとに関わり方はさまざまですが、サウンド面の制作・発注・組込などを行っています。

井上 井上:僕はこれまでにリリースしたVRのサウンドを担当しています。2015年の東京ゲームショーで出したVRゲームや、「乖離性ミリオンアーサー VR」を担当していました。直近だと「釣り★スタ VR」の担当をしていて、自身での制作と組み込みを行いました。今はメッセンジャーゲームのサウンドを作成しています。

山上 山上:僕はWFSの自社開発のタイトルを中心に、主に「アナデン」と「武器よさらば」を担当しております。業務内容は、タイトルのサウンドディレクションと、自身で作曲や効果音の制作を行います。キャラクター音声の収録やミキシング、実機への実装やバランスの調整など業務は幅広く、それぞれのタイトルに対して行っています。

大島 大島:私は最近入社したばかりですが、ありがたいことにたくさんお仕事をいただいていて(笑)。消滅都市や新規タイトルの担当をしています。サウンドディレクションや仕様策定、サウンド制作、PV関連のサウンドまで幅広く関わらせていただいています。

竹内 竹内:僕はタイトルでいうと、新規タイトルや、伊藤さんと一緒に「ダンメモ」や「消滅都市」、あとは協業IPタイトルのVRも担当しています。あとはチームのマネジメント業務になります。

ーーサウンドチームは竹内さんが立ち上げられたと聞きました。

竹内 竹内:そうですね、2012年ごろ発足しまして、まだWFSは立ち上がっていませんでした。Webゲームの内製タイトルの海外展開や音声対応を検討していた際にサウンドに理解のある人材が必要となり、私が入社しまして、その後2014年に山上さんが入社されました。WFSが立ち上がった頃、新卒入社の2名が加わりました。

伊藤 伊藤:私は元々プランナーとして新卒入社して、ゲームの企画をしていたのですが、サービスのクローズなどもありプロダクトを転々としていて、アートチームに異動しました。そのうちにサウンドチームというのが発足したのを知って、やりたいと当時の上司に相談して竹内さんに話していただいたのがきっかけです。中高生の頃バンドをやっていたのですが音楽が好きで、もともとサウンドの仕事がやりたいと思っていました。

竹内 竹内:話をもらってからは、すぐに伊藤さんを採用したわけではなく、半年ぐらい課題をやってもらったり、アートの部署では外部交渉などもされており、一緒に仕事をすることもあったので、その間、適正を判断してさせていただき、こちらに来てもらおうと決めました。

井上 井上:僕は当時WFSの登記などの業務をしていました(笑)。全然違うキャリアだったのですが、音楽が好きだったこともあり異動したいとずっと伊藤さんに言っていた気がします。「僕も行きたい」と(笑)。チャンスがあればいいなと思いまして、人事の方に相談などして異動しました。

竹内 竹内:その後、ガレージプロダクションという2週間でアプリゲームを作るという企画があったのですが、そこで2人に制作の実践の場をいくつか踏んでもらいました。

楽器を使って作曲することも
WFSのサウンドCD

ーー昨年はネイティブゲームのリリースラッシュでしたが、サウンドチームの制作過程などを教えてください。

伊藤 伊藤:ネイティブゲームは近年大きなタイトルとしてリリースするので、その分制作する音も多く、外部発注してディレクションをやる業務の方が多いです。

井上 井上:VRなどは、自社の録音ルームなどで音源を録ることもします。声優さんに来ていただくこともありますね。

ーーオリジナルタイトルの世界観などの表現はプロダクトにリクエストを聞いて制作するのでしょうか。

山上 山上:やはりゲームそのものの世界観や方向性を実現することが、私たちの業務の基本です。そこに対して音としてどんなアプローチがあるのかや、例えばRPGでこれぐらいの年代感でと伝えたり、いろいろな切り口から外部の発注先にも伝えています。 プロダクト側は音楽的な知識がない場合もあり、具体的な音楽のジャンルに落とし込んで、クラシックやロックなどと翻訳して伝えていくというのが私の役目です。 個人でイメージしているものは主観的なものが多いので、そこで求められている要素をできるだけ翻訳して当てはめていくかが重要だと思っています。わかりやすい既存の参考音を提示してこういうイメージに近いですか、と確認したりします。

ーーサウンドチームはゲーム制作のどの段階から入り込むのでしょうか。

山上 山上:タイトルにもよりますが、立ち上げ時から入れるのが理想です。ゲームの方向や内容も考えている段階から一緒に理解できるので。ある程度仕様が決まってしまうとサウンドとしても制限が出てきてしまうので、できる限り早い方がありがたいです。

サウンドを作る上で大切なのは作品の世界観を表現すること

ーー担当されているプロダクトやそのサウンドを作っていく際に大切にしていることは何でしょうか。

井上 井上:僕が大切にしていることは、モノへの興味関心です。どれだけ強い興味を持って、周りのことまで勉強できるかみたいなことが大事だと思っています。ゲームサウンドというと後ろで流れている音楽が皆さんの印象は強いと思いますが、その裏には効果音や、それらをどうやって制御して鳴らしているか、そして作成するツールなど色々な要素があります。 音楽が好きなので、作曲への関心はもちろんありますが、それだけではなくその後ろの部分をどれだけ興味を持って好きになっていくかが大事だと思っています。そして、このゲームにはこういう音が鳴ったらいいなと思ったら、それをどうやって実現するか、というところまで追求していきたいですね。

大島 大島:私は自分が決してアーティスト(芸術家)ではないと意識することでしょうか。ゲームは総合芸術だと思うので、あくまでゲーム体験を演出するためのサウンドだと思っています。どういう手法でディレクターが言っていることを音でバックアップできるかが大切ですし、自分の頭の中でこういった音を出そうというイメージに対して手段を考えて積み上げていくことが楽しいですね。

伊藤 伊藤:私の場合、他社の協業IPタイトルや、WFSの自社タイトルなどさまざまな種類のタイトルに携わっているのですが、求められるものがプロダクトごとに違います。例えば、協業IPタイトルですと、効果音一つ一つに対してできる限りアニメに似た音を再現することを求められますし、その方がお客さまも細い部分まで再現していることを喜んでくれます。一方、「ラブクロ」だと乙女ゲームで音声がメインなので、曲も他の戦闘ゲームなどと比べて展開も少なく聴き心地の良いものを作っています。プロダクトとユーザーの求めるものと、そのシステム関連を考えて作っていくことを大切にしています。

山上 山上:ゲームサウンドというと、どうしてもゲーム音楽が最初に取り上げられると思うのですが、私は演出として考えた場合、効果音や環境音やキャラクターボイスなどトータルでちゃんと適切に鳴らすことをベースに、今までにないオリジナルな部分を入れ込んでいけるかを大事にしています。ゲームの世界観からは外れず、オリジナルな要素として自身が得意な音楽ジャンルを反映させたり、空間の物体や質感が自然に聞こえるか、それを表現できているのか、違和感がないかということで自身の成果物を判断しています。

竹内 竹内:私が個人としてもチームとしても大切にしていることは、方法はさまざまですが、最終的に最高な選択で最高な結果を出すことが一番大切だと思っています。最高の結果というのは「お客さまの評価」と、「プロダクトからの要望」と、「自分自身がやりたいこと」の3つを上手く織り交ぜ、常に考えながらアクションを行い、成果に繋げられるかどうかかと思っています。 その場合、自身が作った方がいい場合もありますし、チーム内の別スタッフにお願いした方がいい、他社さんと協力した方がいいという選択肢があります。うちのチームもまだ至らない分野もあるので、理想的な適材適所を選考することを常に心がけています。

ーーゲームがたくさんリリースされている市場で、ゲームサウンドの重要性をどう感じていますか。

大島 大島:私は入社したばかりなので、一番客観的な意見だと思っていますが(笑)、WFSのゲームはちゃんと音を聴きながらプレイしようと思えるゲームだと感じています。イヤホン忘れたらやらないぐらいなので、その辺りが他社と違うと思います。

竹内 竹内:それを常に目指していて、ちゃんと音を聴きながらプレイしようと思わせるためには、2段階のステップがあって、

1.「自然(気にしない)に聴こえること」
実はとても難しいのですが、不自然さの無い音作ること、それらを最適な場面、音量、鳴る音の数など考えなら、制御することが必要です。

2.「音があることを意識させること」

その上で、これらの音を演出面にうまくサポートさせることで、よりプレイヤーの感情を揺さぶる。2をゲームに織り込むことこそ「ゲームサウンドの重要性(音のある意義)」だと思っています。

ーーそういった意識はプロダクトのメンバーにも浸透していますか。

大島 大島:その辺りは、サービスの品質のために当然かもしれませんが、変なところで音が途切れないようにするなどエンジニアも工数を割いてくれます。

伊藤 伊藤:WFSが最初にリリースした「消滅都市」はサウンド面を高く評価していただいた事もあり、事業部全体としてサウンドを重要視していると思います。プロダクトからゲームの演出においてサウンド面でこういうことは出来るか、他にどんなことが出来るのか、など相談をもらうときに感じますね。

山上 山上:そうですね、「消滅都市」での成功事例はとても大きく、それを基準として次のタイトルの音作りや演出について話し合うことができています。そういった部分は品質面に大きく影響すると思います。

ーーこれから新しいプラットフォームでのリリースや、新規タイトルのリリースがあると思いますが、今後の課題や目標などを教えてください。

井上 井上: プラットフォームの他展開に関して、最終的なクオリティーはもちろん落とさずにやるのですが、裏側の音を鳴らしている仕組みが全然違うので、そこに対して積極的に情報を取りにいって学んでいきたいです。サウンドで使われているミドルウェアやUnityなどの技術の取得はもちろんのこと、それらを効率よく横展開できるかを考えることも高品質を保つ上では重要だと思っています。 あとは、他のプロダクトチームとの関係性の構築は、どれだけサウンドが大事かを理解してもらうかだと思っているので、サウンドの重要性やその演出上の効果みたいなのをこれからも伝えていきたいと思います。

伊藤 伊藤:サウンドチームに来てから新しいことに挑戦させていただいていて、VRゲームなども他のスマホゲーム会社ではなかなか経験できないと思うんです。勉強から始めさせていただいてますが、今後も新しいことに挑戦したいと思っています。

山上 山上:個人の目標としては、これまで2Dのゲームの担当が多かったのですが、より端末のスペックも上がって来ていますし、通信環境も良くなって来ているのでこれからはよりコンシューマーゲームに近い表現ができると思っています。そういった部分でよりリッチな表現を目指したいと思っています。

大島 大島:私は逆にこれまでコンシューマーのサウンドの経歴だったので、モバイルのスペックに合わせた演出や表現をするために頭を切り替えなければと思っていました。ただ、実際にモバイルのサウンドをやるようになって来てから、実はそんなにコンシューマーとモバイルの線引きをしなくていいのではないかと思い初めています。今後は人に絶対イヤホンを手放させないようなゲームを作っていきたいと思いますし、竹内さんが長年プレイングマネージャーをやっていらして、きっともっとやりたいことがあると思うので、チームの中でそういった部分でもお手伝いしていきたいです。

竹内 竹内:チームとしては、今まではまずは必要な技術や知識を平均的に皆に理解して欲しいという体制を組んでいましたが、今後はより個人の得意な部分を生かして、それぞれモノづくりができるような形にしていきたいと思っています。あとはプラットフォームが増えたりすることで、技術面での違い、聴く環境、各機器のスペックもどんどん変わってくるので、それらに合わせてサウンドとしてどんな面白いことができるかをもっともっと追求していきたいなと思っています

※取材は2018年3月に行いました。

以上

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